宅建試験の実際の合格率は…
「易化傾向にある」とは言っても、平均合格率が16.4%ということは、全受験者のうち6~7人に1人しか合格できないわけで、宅建試験が狭き門であることに変わりはない、という声が聞こえてきそうです。
合格率の数字だけを見れば確かにその通りなのですが、「全受験者」のなかには、十分な受験勉強ができなかった人や、次回に向けて腕試し感覚で受験している人なども交ざっています。
そうした、最初から合格の可能性のない人たちを除外した合格率は16.4%よりもはるかに高く、しっかりと受験勉強をした人に限れば、宅建試験は2人に1人は合格できるとも言われています。
宅建試験の合格率と合格点について
しかし、この合格率の数字は何もせずに自然に17%になっているわけではないことはご存知ですか?
実際のところは、試験問題や合格基準点を使って、意図的にこの数字に抑えられている、というのが現状です。
合格率の数字を操作するために最も重要となってくるのは、合格基準点(合格点)です。合格点を毎年上下させることで、合格率を17%にキープしているわけです。
受験者のほとんどが高得点となる問題(簡単な問題)が出題された場合は、合格基準点が跳ね上がることもありますが、この10年はおおむね30点から35点の間で推移しています。
試験問題を作っている側も、この数字を意識しながら出題しているようですから、今後も同じ傾向が続くと考えていいでしょう。
ということは、35点以上を得点できれば、ほぼ合格間違いなし!ということになるのです。
ところが、50点満点中の35点というのは、簡単に得点できる数字ではありませんよね。
宅建のような法律に関する試験の場合、法律を学んだことの無い初心者にとっては、専門用語や独特の言い回しに戸惑ってしまうものです。
試験範囲は宅建業法、法令上の制限など広範囲にわたっていて、膨大な情報量に圧倒されてしまう人も少なくないでしょう。
効率よい勉強法の秘密
そこで、短期間で効率よく学習するためには、合格点である35点ギリギリのところを狙った学習法が必要となってくるのです。
満点ではなく35点を狙う学習というのは、ただ手を抜けばよいということではなく、試験範囲の中から、捨てる項目としっかり憶える項目とを判別し、必要なものだけを確実に頭に入れるという学習法なのです。
当然のことながら、この学習法は過去の出題傾向を熟知していなければできないことなので、独学ではなかなか難しいでしょう。